エネルギーについて考える
- 2018.05.23
ここのところ「断熱・気密」から始まって「省エネ」「エコハウス」と分野を広げて勉強していました。
(読んだ本たちの一部)
今回はその中の住宅に関するエネルギーについて今まで知らなかったことや、考えをまとめ知識の共有を目的に記事を書きたいと思います。
・熱源
住宅の中で熱源と言われるものは大きく2つ「お湯」と「調理器」です。この2つの熱源をどの方法で生み出すか。そして、その生み出す方法も大きく2つ「電気」か「ガス」かです。(その他もあるんですが、大きい括りで全体を見て行きます)
まずお湯と調理器を両方電気で賄う場合。俗に言う「オール電化住宅」となります。オール電化にすると電気料金の割引もあり、更に太陽光ソーラーパネルを屋根に乗せれば万々歳!と考えるのが一般的ですが、違う側面からも考えてみます。
まずは給湯器にかかるコスト。インシャルコストは電気のエコキュートの方が高くなります。ガス給湯器はガス屋さんによっても違いがありますが、一般的な給湯器であれば無料で設置してくれます。(貸付の場合も)ランニングコストを考えれば先にエコキュート(電気温水器)を設置してしまうのも良しでしょう。給湯器は僕の考えでは家族構成によりけりですが、どちらでもOKです。
が、調理器具はどうでしょう。オール電化でお掃除が楽なIHクッキングヒーターが良いのでしょうか。
ここでの僕の考えはNOです。
料理はガスコンロでしたいところです。理由は色々ありますが強いて言うならば「美味しいご飯を食べたい」からです。「電気コンロで調理をする料理人はいません。料理好きは皆、ガスコンロを欲しがります。」(X-Knowledge「図解エコハウス」P62参照)という文言にははっとさせられ、くすりと笑いました。
最近のガスコンロは構造もシンプルなのでお掃除も楽、さらにデザインが良いものも多いようです。
(我が家のキッチンは築15年で僕が住み始めるタイミングでIHクッキングヒーターからガスコンロに変更しました。僕自身、料理もしますし掃除もしています(週一回ですが)ちなみに炊飯器もガスで毎日美味しいお米を炊き上げています。)
また、同じ料理をするのにIHよりガスの方がエネルギーの消費量が少なくなりガスコンロの方がエコだということもいえます。(炊飯器は逆)
この時点でオール電化ではなくなってしまいました。個々の価値観ですが、宮内的オススメは住宅のエネルギーもミックスしていきましょうということです。
ちなみに我が家ではガスの衣類乾燥機「乾太(かんた)くん」も使用しています。(過去ブログ「洗濯物について考える」参照)
導入前に渋っていた奥さんも今では乾太くんのいない生活はあり得ないようです。
追記:一般的な住宅での調理器と給湯器のエネルギーの割合は1.5(調理器):8.5(給湯器)程度です。お湯を作る為にはとても大きなエネルギーが必要になっているんですね。
・太陽光(太陽熱)
省エネルギーを目指す上で太陽はどんどん利用していきたいところです。瀬戸内海気候で晴れ間が多い恵まれた環境にある愛媛県では尚のことです。
まず太陽光発電(ソーラーパネル)インシャルコストがかかってしまいますが、無理のない範囲で乗せることをオススメします。昨今、売電価格は下がり続け太陽光発電の旨味が少なくなったと言われますが、パネル自体が量産化から安くなり、数年前と比べると随分と安くなっています。ランニングコストで回収できる年月も平均8年前後程度と、その後のことも考えると利回りの良い投資とも言えそうです。太陽光発電の営業の方は「お金がない人こそ設置しないと!」と言っていました。
しかし「売電で儲けてやろう〜!ウッシッシ」という考え方ではなく「自分のうちの電気ぐらいは自分のところで作るのが良いよね」という優しい考えです。
次に太陽熱です。太陽熱を利用した冷暖房もありますが、ここでは太陽熱を利用した温水器について考えます。そうです、昔ながらのの「天日」といわれるものです。
既に完成された技術であり効率の良さは馬鹿にはできません。
先程、温水器は電気でもガスでもOKという話をしましたが、実は太陽熱を利用して熱から熱(お湯)を作るということが最も効率が良く、優れたエコ給湯器ということが言えます。冬場などお湯が足りなくなった場合は電気やガスの給湯器を併用することもでき、お湯切れの心配はありません。
また最近ではタンク付の集熱パネルを屋根に乗せるタイプだけではなく、集熱パネルだけを屋根に乗せて、地面に設置したタンクの中でお湯を作れる商品もあり、デザイン的や衛生的にもこちらの方がいいかなとも思います。
エネルギーの効率や消費量という面では抜群に優れていますが、費用対効果が抜群に良いわけではない(もちろん悪くはない)ので、オススメはしますが、優先順位は低くなるかもしれません。
・冷暖房
基本的には一般的なルームエアコンでOKですが、デュアルコンプレッサー付の効率が良いものがオススメです。また良くある○○畳用という基準は断熱等級3程度の昔のお家の畳数基準で換算されているので、現在の一般的な断熱されているお家では畳数を気にして「大は小を兼ねる!」と大きいものを買う必要はないようです。また無駄に大きいエアコンを設置してもかえって効率が悪くなるようです。
その他の冷暖房器具もありますが、宮内的オススメは冬場の薪ストーブです。薪の準備が必要ですが、その点が苦にならなければ電気を使わずに暖房することが可能です。
また揺らめく炎やパチパチと聞こえる音のリズムも自然であり豊かさでもあるなあと思います。(個人的な感想です)あとは設置する場所、蓄熱させるモノ、煙突の断熱など設計士が知っておかないといけないこともあるので闇雲に設置するのは避けた方が良さそうです。
・換気設備
法律で定められている24時間換気のために換気設備は必ず必要です。今の時点で言えることは、熱損失を最小限にしながら、電力消費が小さなDCモーターの製品で換気をすることが良いということです。換気も色々な方法、製品があるのでもう少し掘り下げて勉強しないといけません。
・照明器具
今どきなので全てLEDにするのは当たり前ですが、調光機能あがあるものを使用したり、日中は照明が必要のない採光の工夫も必要です。
LED照明でも白熱灯のような温かみのある商品もあります。先日完成したお家では株式会社フジワラさんのLED器具を使用しました。点いていない時もかっこいいデザインも良いです。
と、ここまで長くなってしまいましたが、いかがでしたか?
宮内的な個人的な趣味趣向もあるので、全てが全てとはなりませんが、家づくりエネルギー編の参考にしていただければと思います。
また新しく仕入れた知識は随時更新していこうと思います!
おしまい