TOKYO
- 2017.11.09
仕事とは関係ないんですが、親戚の結婚式のため東京に行ってきました。
せっかく東京まで行くのでどこか建築巡りをしようと計画し、限られた時間のなかで電車バスを利用し色んなところに行ってきました。いやーパスモ(ICカード)とグーグルマップって便利ですね。笑
松濤美術館 設計:白井晟一
白井晟一の建築を語るときは「厳格な」という言葉を用いられることが多いですが、この美術館も厳格な雰囲気がビシバシと伝わってきました。
水の中庭を回遊するように展示室がぐるりと回ります。水の反射が室内に照らされ光の揺らぎがとても気持ちよかったです。
洞窟のような曲線の階段。最近どこかで見たような・・・。
美術館ということもあり全体は見れず、内部も展示物があるため写真は撮れませんでいたが、初めての白井建築を堪能できました。
林芙美子記念館 設計:山口文象
作家の林芙美子の自邸であり、現在は記念館として家の内部や資料が展示されています。
東西南北に風が抜けるように設計されており、南側の庭には木漏れ日が縁側を温かく照らします。
自邸を建てるにあたり林芙美子本人も建築の勉強をかなりしたらしく、施主本人の意向・こだわりが細部にまで見受けられます。
居住棟とアトリエ棟が分かれています。中央には林芙美子が準備したうねうねしたザクロが植えられています。
印象的だったのはアトリエ棟の書斎に面する北向きの縁側。
軒・鴨居の低さ、光の入り方か、ぐっと落ち着いた雰囲気になっています。夏は涼しそうです。建築家が好む北側の安定した光の窓の原型を少し感じられた気がします。
この上記2つの建築巡りはセットで考えていました。というのも、林芙美子がパリに留学していたときに、絵描きを目指していた白井晟一と知り合っていたのです。恋人関係ではなかったようですが、林芙美子は白井晟一に恋心を抱いていたらしく、小説の中にも白井晟一がモデルと思われる青年が出てくのです。
建築を巡りながら、歴史ロマンスを辿る。乙な気がします・・・。笑
ちなみに、林芙美子記念館の正面にあるモダンな建物は長谷川逸子設計の賃貸です。
あとはさらっとですが、代々木体育館(設計:丹下健三)とか
これまた丹下健三のクウェート大使館を見てきました。中が気になる。
このクウェート大使館は来春取り壊し予定なんです。日本各地のモダニズム建築が改修か、取り壊しか、存亡の危機に面しています。
現在、使用されていないままの香川県立体育館(設計:丹下健三)も世界危機遺産に登録されたというニュースを見ました。
丹下健三は今治市出身の世界的な建築家です。建物を残して欲しいと思うのは建築好きのただのエゴでしょうか・・・。
少し考えさせられた東京建築巡りでした。
おしまい。