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生と死

  • 2017.10.24

ここ最近、たまたまですが、生と死を感じる建築を続けて見学してきたので、ブログに綴っておきます。

まずは玉川町の光林寺位牌堂の内覧会へ。

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外観は塔のような感じです。鉄骨造の5階建てです。

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一階入口はありがたくも仏様が出迎えてくれます。

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まずはエレベーターに乗り最上階の展望室へ。玉川近隣の大自然が一望できます。当日はあいにくの天気でしたが、天気のいい日は素晴らし眺望を臨むことができるようです。

自分たちが自然の中で自然と共に生きていることをひしひしを感じます・・・。

そこから階段で降り、4~2階は神様がいる部屋やお位牌を納める部屋があります。

そして1階には回廊があります。5層からなるコアのような中心部に木製垂木800本で作られた外壁側が回廊であり、4層分の吹き抜けにはランダムでスリットの開口が設けられています。

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(回廊から見る吹き抜け部分)

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(垂木の間のスリット開口部)

故人のお位牌に参拝(?)後、この回廊が一息つける場所になるのかなと思います。

この建物を設計されたのが、奥野崇建築設計事務所の奥野さんという松山の設計士さんであり、僕が横田建設で働く前に模型作りなど少しだけお手伝いをした事務所の方です。

チルチンびとという雑誌の賞を取ったりと、とてもきれいな木造建築を設計されている憧れの設計士さんです。こちらにホームページのリンク貼っておきますので、チェックしてみてください。

続きまして、つい先日、松山市の石手にある葬祭場の内覧会へ。

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(通りに面するファサード)

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(外壁の仕上げ材の変化する部分から横に三層の構造になっています)

こちらは我らが横田建設の平野さんがアトリエトラントの堀さんとう女性の設計士の方のお手伝いをして完成した建物です。

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(エントランスには大きな木製自動ドア)

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三層の中心部には階段があり、手書きで書いたような自由曲線の階段があります。この階段は洞窟のような雰囲気になっており、人間の本能的な安心感を感じます。(そんな気がする)

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(階段を上がりきったホールにはぽっかりと開いたトップライトと曲線の壁。)

30名程度までで行われる家族葬のホールが2つある施設であり、家族で最後のひと時を過ごせるように祭壇と別に寝室やお風呂など住宅のうような一面もあります。

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(ホール1)
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(水面の中庭)

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(ホール2)
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(土の中庭)

それぞれのホールに中庭が面しており、太陽の光が当たったり、雨が降ったり、風が吹いたりと自然を感じることができるようになっています。

人は生きて、そしていつかは死にます。それは自然の摂理であり、自分が自然の一部に戻るような気持ちなるのではないかと思います。

玉川の光林寺位牌堂も石手の葬祭場も人の気持ちが建築やデザインに映し出ているように感じました。とてもおもしろく興味深い建築見学になりました。

僕の好きな建築家も住宅を設計する際に、「その家で長い時間過ごす家族が健康で元気な時だけでなく病める時も、どんな時でも寄り添うような機能やデザインを持たせたい」というようなことを言っていました。そんなことを少しでも考えながら設計された家は少し違うような気がします。

僕もそんな建築を設計できるように日々精進していきます・・・。

おしまい