引き渡しとこれからの計画
- 2018.11.19
10月吉日、見学会を開催させていただいていた大西の家が無事引き渡しが完了しました。
WORKS(施工例)にも追加しておりますので是非、完成写真もご覧下さい。
今までで一番いいお家ができたと思っております(毎回思っています)ので、どんなことを考えたなど少し振り返ろうと思います。
はじめはみなさん同じですが、必要な部屋やキッチンの向き・形、階段の位置などご要望をお聞きし、こちらで間取りを考えながら全体をプランニングしていきます。
間取りを考えるというと方眼紙に必要な部屋の大きさの四角を繋げながら家事動線を考えて~と思われがちですが、もう少し多角的に考えています。
「間取り」という平面(二次元)的な横のつながりも大切ですが、平面+立面・断面(三次元)も考え、各種配管はどこを通すか、構造的に無理はないかなど技術的なことや、ここから見える景色がいいなあとか、ここでゴロゴロできたらいいなあとか、プライバシーのことなど気持ちの部分も考えています。そうやって全体を考えることを「プランニング」と言っています。
そして良くも悪くも僕はお客さんの要望を無視するプランニングをすることがあります。こんなお家の可能性もありますよ。ワクワクしませんか?と。
ちなみに大西の家も最初のプレゼンでスキップフロアの家を提案しました。コンセプトは「スキップフロアと敷地周辺の土地の形状が合う家」です。
今見返すと、スキップフロアの考え方は良かったのですが、その他の細かいところまで詰めきれていなかったかなと思います。そこがお客さんにも伝わって採用されなかったのかもしれません。
その後、プランは何度かの打ち合わせを経て調整しながら決まりました。プランを考えるのと同時に内外観の仕上げ、窓の大きさプロポーション、日射取得・遮蔽なども一緒に考えます。
大西の家では大きい(長い)ベランダが欲しいというご要望もあり、ベランダを庇のように使いながら、日当たりのいい南側に大きな窓と柱型をリズミカルに配置しました。
8月16日12:00の日射遮蔽具合(軒とベランダで夏の日射を遮蔽しています)
1月1日12:00の日射取得具合(太陽の傾きがかわり南面の大きな窓から日射を取得しています)
これはスケッチアップという無料3Dモデリングソフトを使用しています。あくまで参考ですが、お盆休み明けに現場に行くと日射が家の中に入ってきていたので、計算通り!と思いました。
外構計画も一緒に考えることで統一感もでますし、お客さんも想像しやすくなります。
このようなプレゼン要素でスケッチアップも使用しますが、まだまだ現場慣れしていない私は3Dで納まりや注意点を考えたりもします。
軸構造の検討。(スケッチアップで構造の計算はできません)
断熱の連続性や耐力壁の取り付けに問題がないかの検討。
換気部材を使用しての棟換気の検討。
↑スケッチアップをクラウド上にアップロードするとこんなこともできます。クリック(タップ)して読み込むとぐりぐり動かせます。
(※検討段階なのでこれがそのまま建っているわけではありません。)
などなど、細かい部分まで検討しお家が建って完成していきます。
そして完成がゴールではなく、これから長い年月をかけて家族が住む生活がスタートします。
「建築家として、もっともうれしいときは、建築ができ、そこへ人が入って、そこで生活がおこなわれているのを見ることである。
日暮れどき、一軒の家の前を通ったとき家の中に明るい灯がついて、一家の楽しそうな生活が感じられるとしたら
それが、建築家にとっては、もっともうれしいときなのではあるまいか」
という建築家吉村順三の言葉でしめます!
そして今後直近は菊間町で新たな家づくりが動きだします。(他にもありますが、宮内担当がよく紹介されるシステム)
家の中央に光と空気の通り道がある、熱環境に配慮した住宅です。
↑こちらもクリック(タップ)して読み込むと動かせます。
敷地が大変開けているので十分な日射取得を見込めます。
サン・サーベイというアプリで太陽の軌跡をマップ上やARカメラで確認することができます。
松尾式でエアコンの大きさも決めたました。(おいおいブログなどで紹介します)
また新たな家づくりにワクワクしています。
おしまい。