出張
- 2018.02.28
福岡へ珍しく出張へ行ってきました。出張と言っても住宅見学が目的だったので、いつもの建築めぐりのようなライフワークの延長線上の出張です。
松山発の夜行バスに乗り大学生と思しき若者たちに囲まれて10時間。1時間おきに目を覚ましながら朝の7時に到着しました。体はバキバキです。
高速バスの到着がターミナルの4階にあり、寝起きの私は道路が4階にあることが理解できず、どこに出ればいいのかわからず軽いパニックになりました。笑
その後、冷静さを取り戻しパスモ(ICカード)とグーグルマップを駆使し路面バスを乗り継いで到着したお目当てはこちら。
住宅展示場の中に建てられた小さな家。設計は建築家の堀部安嗣氏です。四間角(約7.3mの正方形)の総二階にシンプルな切妻屋根がかけられており、外壁は杉板のみです。(繋がっている左の建物は事務所)
「fca」と名付けられたこの住宅は福岡県の斉藤工務店が堀部氏とタッグを組み、販売することを目的に住宅展示場に建てられました。普段はお客さんにしか公開されていないのですが、この日は建築関係者や学生向けに見学会が開催されました。私と似たような境遇の関係者たちがせっせと写真や採寸や納まりを確認したり、斉藤工務店のスタッフ方に質問をしていました。
その中に愛媛から来ていた設計士の西下さんも。直接的な面識はなかったのですが、付き合いのある共栄木材(伊予市)の社長の息子さんにあたり、イエプロ(愛媛の住宅情報誌)にも載っていて奇麗な建物の設計をするなあと持っていたので、声をかけさせてもらいました。
お話をしていると、年齢が僕より1つ下で、一級建築士を持って、今日は飛行機とタクシーできたと。
めっちゃスマートやん・・・。
「お前はカレイだ。泥にまみれてろよ。」と魚住に言われた気がしました。(漫画スラムダンクより参照)
小話は置いておいて、「fca」をしっかり見学してきました。デザインやコンセプト、細部の納まりは勿論なんですが、この「fca」のこだわりの中に温熱環境というポイントがあります。
断熱・気密の性能以外にも、びおソーラー(屋根の熱を家中に循環させる設備)や、窓の開口位置・大きさ、日射遮蔽など。家じゅうの温度や湿度を整え快適に生活できる工夫がいたるところに施されていました。
こちらが南側。南側は冬の日射を取得するために大きく開口されながらも・・・
夏の日射を遮蔽するする為にアルミの簾(すだれ)が取り付けられています。
外壁用の通気もしっかり出口がありました。なるほどなるほど。
内部はシンプルかつキレイにきめ細かく仕上げられています。
エアコンの位置や自然対流を促す欄間など、温熱環境に対する配慮も随所に見られました。
天井高さ2100も体験しつつ、初めての堀部氏設計の住宅を見て触れて感じることができ、今後の参考にさせていただこうと思いました。
帰りの夜行バスは21時だったので、それまでは福岡市内を散策(建築めぐり)。
アクロス福岡(商業施設) 設計:エミリオ・アンバース (もはや山)
ネクサスワールド(集合住宅) 設計:レム・コールハース (高級車だらけ)
ぐりんぐりん(植物園) 設計:伊東豊雄 (ぐにゃぐにゃ3次元曲線)
河庄(お鮨屋さん) 設計:吉村順三 (まわらない高級お寿司)
そして移動する建築。
等々。全て紹介していたらかなりのボリュームになるので割愛。
そして今回の出張の戦利品がもう一つ。
福岡市内のブックオフで見つけた雑誌。この雑誌、ネットで探してて、出てもすぐなくなる(しかも高額)ので見つけた瞬間テンションかなり上がりました。笑(しかも減額されてる)
福岡中をうろうろした甲斐がありました。
その後帰路につき、無事松山に帰ってきました。
得たものが大きい意味ある出張になりました。
おしまい